新型コロナウィルス感染拡大による一連の混乱の中で、今あらためて映画館で映画を見るという行為について問い直したのが本書だ。全国のミニシアターのスタッフや黒沢清といった映画人へのインタヴュー、映画キュレーターの寄稿、〈ミニシアター・エイド〉発起人の深田晃司、濱口竜介らの座談会を収録。劇場の裏側や映画人の映画館体験話を楽しみつつ、映画館体験の代替不可能性は揺るぎないものとして映るはずだ。本書の最後は、近年露わとなった映画館の労働問題を「隠すのではなくきちんと向き合っていくこと」ことの重要性を説く深田晃司の言葉で締められていると付記しておきたい。
「そして映画館はつづく あの劇場で見た映画はなぜ忘れられないのだろう」黒沢清インタビューや深田晃司、濱口竜介らの座談会で問い直す映画館の意義
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