ウイーンのエクスペリメンタル・バンド、ラディアンを脱退した後にシュテファン・ネメトが始動させた本プロジェクト。今回の作品は2013年以来のアルバムで、3人体制で初のリリースとなる。シュテファンの脇を固めるのは、元パン・アメリカンのスティーヴン・ヘス、人力テクノ・バンド=エレクトロ・グッツィの現メンバー、ビァーンハルト・ボレアーの2人だ。この手練れ2名との邂逅により、やや難解ともいえるソロ時代の実験的電子音から、IDMとロックを融合させ、研ぎ澄まされた圧巻の音響共に躍動するストレートな表現へと変貌を遂げている。ポスト・ロックやインダストリアルとも共鳴する強烈な一枚だ。