男性ヴォーカルデュオall at once がファーストアルバム『ALL AT ONCE』をリリース! 彼らの〈歌〉と〈ハーモニー〉、そして〈ふたりの成長〉を感じ取ることができる、今のall at onceの全てが詰まったアルバムが完成した。

all at once 『ALL AT ONCE』 Being(2021)

――アルバムのタイトルは『ALL AT ONCE』。初めてのアルバムに自分たちのデュオ名を付けるあたりに、ITSUKIさんとNARITOさんの並々ならぬ思いを感じます。

ITSUKI「僕とNARITO、スタッフさんとでタイトル案を出し合い、ファーストアルバムはall at onceの名刺代わりになる作品だし、やっぱり自分たちの名前が出ているのがいいと思い『ALL AT ONCE』に決まりました」

NARITO「〈all at onceの『ALL AT ONCE』〉……僕たちの名前を意地でも覚えてもらおうかと(笑)。僕にとってもITSUKIにとっても渾身の作品というか、これまでの色々な思いが詰まったアルバムになっているので、ひとりでも多くの方にこの1枚が届けばいいなと思っています」

――既出曲をアルバムの中の収録曲として改めて聴いてみてどうですか?

ITSUKI「右も左も分からない状態で初めてレコーディングをした“Take mo’Chance”は、歌声がいい意味でも悪い意味でも混じり気がなくてピュアな感じで、きれいに真っすぐに歌おうという気持ちが大きく表れているな、と。逆に、アルバムの最後の楽曲で最新曲の“年をかさねて”は、今の僕たちの等身大というか、ありのままのITSUKI、NARITO、all at onceを表現できるようになった楽曲なので、自分たちが成長している過程が見えると思います。“年をかさねて”は、HYの仲宗根泉さんに作詞作曲をお願いしたのですが、最初のデモ音源を聴いたときに仲宗根さんご自身がデモに歌声を入れていて……」

NARITO「緊張感ビリビリビリーって全身に走ったよね(笑)」

ITSUKI「仲宗根さんが伝えたいメッセージを自分たちなりに伝えないといけないなと感じました。“年をかさねて”のテーマが〈家族愛〉。こういうご時世なので僕たちも実家や地元に帰れていなくて、だからこそ今の心境を歌に乗せて歌えた楽曲だと思います」

NARITO「〈ただいま おかえり〉という歌詞から始まるのですが、2年ぶりに実家に帰って母親に〈ただいま!〉と言うような気持ちで歌いました。仲宗根さんのデモ音源を聴いて練習のためにスタジオで歌ったことがあって、一発目で大号泣……。最近は“年をかさねて”のイントロを聴くだけで〈おかん~〉ってなりますね(笑)」

ITSUKI「(笑)。僕は落ちサビ部分を担当しているのですが、エッジボイスっぽく歌うと耳に入りやすいのかなとか、最初は技術的なことを考えていました。でも本番のレコーディングのときに、今自分が感じている〈家族や大切な人に向けての愛情〉を素直に表現するのがいちばんいいと思って、これまで練習してきたことを直前でゼロにして、一発目で歌ったテイクがアルバムに収録されています。自分の感情のありのままで歌おう――“年をかさねて”は僕にそう思わせてくれました」

――『ALL AT ONCE』の中で特に思い入れの深い楽曲を挙げるとしたら何になりますか?

NARITO「12曲全て大事! という大前提で、強いて言うならファースト配信曲の“12cm”。all at onceらしさはバラードだよねという話から楽曲制作が始まり、いざレコーディングをした直後に緊急事態宣言が出て自粛期間が続いて……。精神的に波があった時期に“12cm”と向き合っていたので、僕たちを成長させてくれた1曲でもあります」

ITSUKI「『名探偵コナン』のエンディングテーマになった“星合”。この曲をきっかけにたくさんの方にall at onceを知ってもらえたので、すごく大切な楽曲ですね」

――緊急事態宣言でデビューが延期になるなど、紆余曲折を経てのアルバムリリースは感慨深いものがありますね。

ITSUKI「そうですね。“星合”であったり“JUST BELIEVE YOU”であったり、思うように活動ができないなかで僕らの音楽をたくさんの人に聴いてもらえる機会をスタッフさんが作ってくれたので、世の中がこういう状況でもアルバムを出せることに感謝しています」

NARITO「たくさんの人に助けてもらって色々なことに悩んで、ITSUKIやスタッフさんとも相談してやっと完成したアルバムなので、大切な作品になりました」

――〈チームall at once〉一丸となって作り上げた『ALL AT ONCE』を引っ提げての初有観客ツアーが決まっていますが、どんなライブにしたいですか?

ITSUKI「現場の空気感とか、僕たち自身や見に来てくださった方のテンションを、ごちゃ混ぜにして共有してひとつのものを作れたらいいなと思っています。“Mission to the moon”は“Take mo’Chance”のようなファンク調で、楽曲の途中でクラップも入っているので、全員で一緒に手を叩いて盛り上がりたいですね。ファンの皆さんときちんと会うのが初めてになるので、ステージ上から皆さんの顔をしっかり見るライブにしたいです!」

NARITO「〈ありがとうございます!〉は絶対に言うと思いますね、何回も。あと、僕はライブ冒頭から泣くんじゃないかな、と。そこだけは気を付けて、〈泣かないようにする〉ライブにします(笑)」