次々と登場するTikTok出身アーティストの中で、ひときわ異彩を放つ19歳によるデビューEP。トラヴィス・バーカーと恋人jxdnの参加した“la di die”で聴かせたパンク志向は、先行シングル“i hope ur miserable until ur dead”へと受け継がれ、グランジ時代のシャーリー・マンソン(ガービッジ)を思わせる屈折ロッカーぶりを発揮。かと思えば、ラナ・デル・レイやマリーナをいっそう陰鬱にしたかのようなダーク・ポップ系、レディオヘッドの引用なども秀逸で、今後どこへ向かうかは未知数と言えそう。その屈折したダークな世界観はビリー・アイリッシュやマディソン・ビアらと比較されそうだが、幼い頃からのイジメ体験や自殺願望などがまだ癒えきっておらず、現在進行形というのが生々しい。