3人組パンク・バンドから大所帯のチェンバー・ポップ・プロジェクトに発展したヘイリー・ダール率いるスロッピー・ジェーンは、この新作で大きな注目を集めはじめた。21人のメンバーと共にヴァージニアの観光名所、ロストワールド洞窟でレコーディングしたという。制作過程もイベントとして捉えるエキセントリックな打ち出し方のなかにはプログレやグラム・ロックというバンドのバックボーンが感じられるし、そんな装いを剥ぎ取った時、残るのはノスタルジックなフォークやポップソングなのだと思う。組曲も含む全11曲が歌心もあるクラシック・ロックとして楽しめる理由はそこだ。3人組時代のメンバーだったフィービー・ブリジャーズのレーベルからのリリース。それも話題のひとつだ。