2022年2月2日。この2づくしの日に〈セカンド〉シングル『いつか君が大人になった時に』をリリースする、千葉県柏発の3ピースバンドThis is LAST。昨今をとりまく状況からこのシングルの詳細まで、メンバー3人にメールインタビューで話を訊く。

This is LAST 『いつか君が大人になった時に』 蔵前レコーズ(2022)

――2021年は、ファーストシングル『ポニーテールに揺らされて』、数量限定シングル『嘘吐き/ベイビー』がリリースされ、特にファーストシングル表題曲“ポニーテールに揺らされて”のMVはYouTubeで43万回再生と大きな話題を呼びました。改めて2021年はどんな年でしたか?

菊池陽報「そうですね。まずは2021年、『ポニーテールに揺らされて』や『嘘吐き/ベイビー』など、音源、MV、ライブ、ラジオやTVにも出演する機会をたくさん頂けていることが何よりまず心から幸せです。これは日頃よりファンの皆さんが応援して支えて下さっているからだといつも本当に感謝しています! 本当に本当にありがとうございます!

そしてその中で僕ら個人的な反省といいますか、2021年はどのアーティストもそうだと思いますが、僕らThis is LASTも例外ではなく〈やりたいこと〉が世の中の状況や諸々を踏まえて色んな意味で上手く行かなかった部分が大きく課題として残った年であり、その中でも〈ロックバンド〉としてどうあるべきか、どう自分自身に向き合って行かなきゃならないのかということで常に葛藤して悩んで苦しんだり、ツアーでお客さんの笑顔や心に触れて救われて、改めて自分の音楽を自分だけのためではなく誰かのために鳴らしたいという気持ちになったり、〈悔しさと学び〉の連続のような年でした」

――そして2022年2月2日にはセカンドシングル『いつか君が大人になった時に』がリリースされます。収録曲はどんな3曲でしょうか。

菊池「今回のセカンドシングル『いつか君が大人になった時に』ですが、まず、This is LAST史上最高にクォリティーの高い楽曲であり、音になり、作品として自分でも鳥肌が立つほどに満足しています。

まずリードトラックの“いつか君が大人になった時に”ですが、音楽的な意味合いで言えばThis is LASTとしてのバラードの世界観の拡張がコンセプトにあり、まさに前作のバラード“ポニーテールに揺らされて”の延長線上で、歌詞としてはThis is LASTが表現する〈幸せ〉の形の一つだと思っています。一見するとふらふらとしがちな彼女に〈今はふらふらしても最後は僕を選んでね〉という意味がこもった楽曲ですが、聴く人によって色々な解釈をしていただきたいと思ってます。なのでわざといつもよりフォーカスを少し遠くして色々な角度から解釈できるように作詞しました。This is LASTにしかできない温かさや寂しさ、恋しさやそういういろんな愛情の在り方を詰め込んだ楽曲です。

そして、2曲目“勘弁してくれ”。これは1曲目とは打って変わりリズミカルで一聴すると楽天的に感じる音楽に、自由奔放でお姫様気質な女性に振り回されて勘弁してくれよ……と思いながらも、好きだから振り回されてもいいと思っていた僕の実体験を書いた楽曲です(笑)。ストーリー自体は歌詞を見ていただければすごくわかりやすくなってると思いますし、同じ気持ちの男子、多分たくさんいると思うんですよね(笑)。楽曲としては自分で言うのもなんですが、リズミカルで軽快な音楽に皮肉や怒りや嫉妬だったり割と〈軽快〉とは真反対にあるような印象の歌詞を歌う〈菊池陽報節〉のわかりやすい楽曲になってますし、クラップしたりライブで楽しめるようにと考えた部分もあったりするので是非是非聴き込んでライブで一緒に楽しみたいですね!

そして最後に3曲目“黒く踊る”。こちらはまず本当にカッコいい。もうめちゃくちゃにイカしてる。イケ散らかしてる。楽曲自体はシンプルで今までのThis is LASTから言えば想像の範囲内と言われればそうなんですが、何よりやっぱりメロディーと歌詞の相性が抜群です。マイナー調のメロディーで楽曲を作ったことがあまりないので、新しい可能性を模索する上でも正直不安でしたが挑戦したくて。結果すごくThis is LASTの音楽として表現できたと思ってますし、歌詞も自分の恋愛観を今までとは違う形で表現出来たと思っていて、まさに新しいThis is LASTの一面を広げることができている作品ですし、ライブもバチバチにイケ散らかすと思うので乞うご期待ですね!」

 

――てるさんのTwitterによれば、〈次回の新曲もかなりエグいの入ってます。どれくらいエグいのかというと歌詞が18禁すぎて一度修正が入りました〉とありますが、どの曲がどんなエグさの歌詞だったのか、そこをどのように直したのか教えてください。

菊池「こちらはですね(笑)、3曲目の“黒く踊る”です。この楽曲は男女間の性行為とその男女の関係性をリンクさせた歌詞となっており、現在は〈ゆらゆら浮ついた君の心、誰かの上で1人踊る〉とありますが、アウトとして修正が入った箇所は、元々は〈ゆらゆら浮ついた君の心、誰かの上で腰を振ってる〉という歌詞でした。局所局所この〈腰を振ってる〉という表現が過激すぎるとのことで修正した結果となりました。そこは正直素直に表現できず少し悔しい部分ですね(笑)」

――This is LASTの歌詞は、エグいというより、ちょっとシラフで言うのは恥ずかしいくらいに真っすぐな歌詞が特徴的だと思います。菊池さんは今作の3曲の歌詞をどういう時に、どうやって書きましたか? また、りうせいさん、鹿又さんは菊池さんの歌詞を読んでどう受け止めましたか?

菊池「そうですね。僕の歌詞は全て実体験をもとにそれを〈どう描くか〉ということを大切にしているので、まず芯として素直にありのままを書くという土台は変わらないですね。実は今回の新曲たちは前作『ポニーテールに揺らされて』を書いた時、今作の曲たちも一緒に書いていてその時点ですでにファーストシングルからセカンドシングルへとバラードの拡張をしていくイメージはしていましたし、少ない楽曲で分かりやすくなおかつ鋭く研ぎ澄ました楽曲にしたかったのもあり、ここでシングルをリリースすることを選んだのもあります。

ファーストフルアルバム『別に、どうでもいい、知らない』まで、This is LASTとして自分のありのままの失恋を書いてきて、そこから今挑戦しているのは自分の経験した失恋や寂しかった記憶や、悔しかったことなど、今までとは視点や手法を変えて新しく表現することです。それを踏まえて過去作から順に聴いて、このセカンドシングルを聴いてみると菊池陽報の個人情報というか(笑)、そういうありのままの素直さを感じつつ、視点が変わっていったり言い回しに癖があったりでもう一つ違った旨味を感じてもらえるかなと思います!」

鹿又輝直「あき(菊池)が書いてる歌詞の凄さってリアリティーとそれに伴ったストーリー性にあると僕は思うんですけど、年々曲をリリースする度にそれが洗練されている気がします。今回なんて特にそうなんですけど、“いつか君が大人になった時に”をあきが弾き語りで送ってきてくれた時は衝撃的でした。僕自身実際に体験したことがないのに、まるで自分が好きな人と同棲していて〈幸せになろうね〉みたいな事を言っている、そんな情景がハッキリと目に浮かんでくるんです(笑)。次のリリース、その次のリリースも〈あきは一体どんなすごい歌詞を書いてくるんだろう〉ってメンバーながらワクワクしてしまいました! 体験したことがあるないにかかわらず聴く人を物語の主人公にしてくれるので、これから新譜を聴いてくれる方は是非歌詞を見ながら情景を思い浮かべて聴いてほしいなと思います!」

りうせい「あきの書くリリックに対して変化を感じてきています。芯の部分はずっと変わらないのですが、物事の捉え方や見方だったり、その表現の仕方に幅が出てきているのを感じます。今まで表現してきた〈生々しさ〉を〈真っ直ぐさ〉として表現されているなと感じたのが“いつか君が大人になった時に”でした。

男女の視点や、立場を逆転させた“勘弁してくれ”も聴いていて新鮮でしたし、“黒く踊る”に至っては、歌詞改変前は〈リアルさ〉を通り越してただの〈リアル〉でしたから……(笑)。そういったあきの表現への挑戦や、もう一歩先へ、という意志をリリックから感じたのが今作でした」

――演奏面、歌唱面、あるいはレコーディングやミックス・マスタリングなどでのこだわりがあれば教えてください。

菊池「なんと言ってもまず音のクォリティーが本当に高いです。これは僕らだけではなくスタッフさんやエンジニアさんのお力あってのもので、まさに聴いてくださる〈あなた〉も含めてみんなで作り上げた盤なので、そこに痺れます!

そして楽曲のクォリティーですね。基本、僕の声やメロディーと歌詞がしっかり浮き彫りになることを理想としていながらも、ふとしたタイミングで抜けてくるベースやドラムがたまらなくてこれもまた鳥肌です。いつも歌を歌う時、レコーディング当日は憂鬱で仕方ないんですが、結局いつも最高にいい歌を歌わせていただいていて、今作は本当にズバ抜けていいです。バンド史上最多公演数のツアーを回ったり、たくさんライブしてたくさん歌って鍛え上げた僕の声をとくと召し上がれ!って感じです(笑)!」

――リリースの後は、バンド史上最大キャパとなる東名阪ワンマンツアーが行われます。どんなお客さんと、どんなライブにしたいか、教えてください。

菊池「先程、バンド史上最多公演数でワンマンツアーを回らせていただいたと言ったんですけど、今回はバンド史上最多キャパということで改めてありがとうございます!!! 今作の、ライブも意識した楽曲“勘弁してくれ”にはシンガロングが入っていたり、声を出したい!って思うタイミングがたくさんあるんですが、まだまだやっぱり怖いと思うんですよね。だからこそ手を叩いたり、目を見たり、〈僕らはここにいて、ここで生きてる、大丈夫だよ。そしていつもありがとう〉ってことを鳴らしたいです。いつも伝えてることですし、大事な気持ちとしてThis is LASTにとってワンマンはいつも応援して支えてくださるあなたへの音返し(おんがえし)だと思ってるので、僕らを大事に思ってくれる、僕らの大事で守りたいあなたに届けばいいなと思います」

――最後に、タワーレコードにCDを買いに来るファンへメッセージをお願いします。

菊池「タワーレコードへお越しの皆様こんにちは! This is LASTのボーカル/ギター菊池陽報ですっ! 僕らのセカンドシングル『いつか君が大人になった時に』、もう聴いていただけましたか? たった3曲で映画1本見たみたいに! ジェットコースターで浮き沈みするみたいに! ドキドキワクワクあったかーい感覚を味わってもらえる作品です! 興味を持ってもらえたらすごく嬉しいので是非是非聴いてやってください! まだまだThis is LAST頑張りますっ!!!」