2台ピアノの新しい地平線を描く……。坂本龍一の『戦場のメリー・クリスマス』から4曲、ミニマル・ミュージックが、ピアノの硬質の音色でより鮮やかに。そして2台ピアノでの演奏が難しそう。名曲“メリー・クリスマス・ミスター・ローレンス”を選曲していないところが妙。アルヴォ・ペルトのオリジナルはオルガン作品の“断続する平行”は、音が少なく静謐。心地よい緊張感の中に想いが凝縮しているよう。他にもブライアン・イーノの名曲“バイ・ディス・リヴァー”を編曲。メロディアスさを失わず、ただただ美しい。どの作品も2台ピアノの演奏と感じさせないのが、逆に新鮮だったりする。