3枚のEPや配信楽曲を通じて洒脱なセンスを知らしめてきた5人組バンドによる初フル・アルバム。ソウルやジャズ、ギター・ポップを吸収した柔軟なアンサンブルと、初々しい屈託をストレートに表明する言葉が切なく胸をくすぐる。小沢健二やCymbalsを想起させるフレーズを忍ばせたりと、渋谷系の系譜への憧憬が音の端々に見え隠れする一方で、ミッドテンポのシティでメロウなナンバーを軸に据えるあたりが2023年のバンドらしい。