美しい音楽で構築する、日韓の友好の架け橋
ピアニスト/プロデューサーとして、充実した音楽活動を展開している森下滋は、並行してクリスチャンの宗教家としても活動していた。そして2018年、韓国へ牧師として赴任する。2004年にアルバムを韓国でリリースし好評を博した森下は、渡韓後すぐに韓国の現地アーティストとの音楽活動を開始。翌年森下は、日本への留学経験がある、サックス・プレイヤー、ホン・スンダルのグループに参加していた、若いシンガー、モーダルと出逢った。幼少期からクリスチャン・コーラスの経験は積んでいたが、まだジャズを歌い始めて日が浅かったモーダルに、森下は卓越したセンスと可能性を見出す。2022年、コロナ禍が終息しつつある頃に森下は、スキャットを巧みに操りスリリングなアドリブを聴かせてくれるほどに成長した、モーダルの演奏にふれた。森下は、温めていたジャズで日韓の友好の架け橋になるプロジェクトの始動を決意し、完成したのが本作『My Way』である。
東京にモーダルとホン・スンダル(ソプラノ・サックス)を迎えて行われたレコーディングは、森下が長年信頼を寄せる佐藤慎一(ベース)と藤井学(ドラムス)のリズムに、ゲストに里見紀子(ヴァイオリン)を招いた。アルバムのラインナップには、モーダルが愛奏しているジャズ・スタンダード、マイケル・ジャクソン(ヴォーカル)や、K-Popのカヴァーが並ぶ。里見のヴァイオリンが、カウンターとなり、モーダルのヴォーカルを際立たせている。
タイトル曲の“My Way”は森下が作曲し、彼の友人のシンガーソングライターのハセガワタカオが、作詞した。森下は「日韓の孤独な若者たちへのこの応援ソングに、日韓がリスペクトしあうことによる、友好関係を築けたらという希望を込めた」と語る。まだJ-Popと言われる以前、1980年代ごろのフォークからニューミュージックへの過渡期の、かつて日本のポップスを聴くようなノスタルジーを、モーダルのヴォイスが感じさせてくれる。“My Way”は、韓国語ヴァージョンも収録し、韓国のリスナーにも、熱いメッセージを送った。音楽を通じた出逢いから生まれる、美しくスリリングなサウンドは、友好の果実である。
LIVE INFORMATION
発売記念ライブ
2023年10月20日(金)銀座スイング
ライブツアー
2023年10月10日(火)大阪府高槻市 JK BIRD
2023年10月11日(水)島根県松江市 BIRTHDAY
2023年10月12日(木)境港シンフォニーガーデン
2023年10月15日(日)茅ヶ崎 ハスキーズギャラリー