フラメンコとジャズの融合を追及し続ける異彩アントニオ・リサーナのハイスペックぶり極まる5作目。〈純粋さ〉をタイトルに故郷である港町カディスの美しさを表現したこの本作でもサキソフォニスト兼シンガーとして歌いまくってます。今回リサーナ史上最も〈歌〉にフォーカスされ、楽曲はより整理され構成やダイナミクスが明瞭となっている。サックスの印象的なリフが楽曲を牽引し、パーカッシブな高速フレーズと共にクインテットがスキルフルに躍動するインスト部分もひじょうに楽しめるが、最終的に記憶に残るのはやはり圧倒的な歌唱。M6、タイトル曲で爆発しとります。カンタオールとしてどこまで昇っていくつもりなのか……。