カントリー・ブルースのうら若き妖精がアイルランドから現れた。ルーツ音楽好きにはお馴染みのトンプキンス・スクエアが推すこのニューカマー、ミシシッピ・ジョン・ハートやブラインド・ブレイクらの持ち歌を達者なフィンガー・ピッキングを駆使して弾き語る明朗溌溂な姿はやたら魅力的で、エリザベス・コットンの“Freight Train”でみせるラヴリーさなんかもグー。幼い頃より戦前ブルースやラグタイムの魔法に魅せられ、ギターがマブダチな日々を送る17歳の超渋青春白書。こっちのジャンルに馴染みがなさそうな彼女の同世代にも響くポイントが多々見つかるアルバムだと思う。