仙人掌を招いた“GaryPayton”(2022年)で名を上げたLA在住の日本人DJ/ビートメイカーがファースト・アルバムを完成。渡米してから20年以上のキャリアを重ね、現地ではクルーも率いているそうで、そんなスタンス的にはBudaMunkを思い出したりもするが、日米のラッパーが入り交じった構成やジャズ風味のメロウなインストの雄弁さには通じる部分も感じられる。B.D.と仙人掌、AAラシード、ブルーらがファットな音塊を食らい、なかでもデクレイム&ジョージア・アン・マルドロウを迎えた“Same Thang”のドロドロにスピリチュアルな展開が最高。渋めのビートが苦さと甘さを宿した快い一枚だ。