大阪は豊中で中学の同級生たちがバンドを組んで10年、加速度的な成長を刻んだ初のフル・アルバムだ。衒いなくポップなメロディーと、どこか蒼さを残したヴォーカルは初期のBUMP OF CHICKENやELLEGARDENにも通じる。以前はフュージョンやフォークに挑んでいたが、今回はパンキッシュなスピード感に巧みなフックを掛け合わせたロックンロールに特化。全編に渡って見事なアンサンブルを展開しており、特にベースラインが強力だ。“風街突風倶楽部”のように、平易だが引っかかりのある言葉で綴る青春の情景も瑞々しい。次世代のバンド・シーンを引っ張っていくであろう意欲作だ。