「戦後日本のジャズ文化」などで知られる日本文化研究者、マイク・モラスキーによるジャズ・ピアノ・トリオの入門書。前著「ジャズピアノ―その歴史から聴き方まで」がジャズ・ピアノの包括的な通史であったのに対して、本書はピアノ・トリオに焦点をあてた論考となっている。数多くあるジャズ・ピアノ・トリオの入門書の中でも本書はかなりの異色作。特に第一章の〈ピアノトリオの聴き方〉では、ピアノ・トリオを要素に分解、幾つかの奏法に関しての説明が構造的にされており、分析的な記述が特徴的。2章以降ではピアノ・トリオやアルバムの解説となっているが、こちらも明晰で凄い内容。