ソフトな声と印象的なギター・フレーズでイギリスを席巻した“Go”を引っ提げ、ブリット・アワードにもノミネートされた24歳のファースト・アルバム。出会いやトキメキ、失恋や後悔、セクシュアリティに関する〈20代初め〉のヴィヴィッドな体験が、まろやかなネオ・ソウルに乗せて歌われる。エド・シーランを手掛けるスティーヴ・マックがプロデュースの“Alone”、インディア・アリー参加の“Healing”など粒よりの楽曲が並ぶが、何にも増して魅力的なのはシャーデーを彷彿とさせる内省的なキャットの歌声だ。決して大仰にはならず、実直で素朴。デビュー作とは思えぬ安定感が漲っている。