海外ファンによる愛称〈Tokyo Samurai Doom〉
――前作『III』をリリースした後、国内だけでなく海外でも精力的に活動を行っていますよね。バンドとして得るものはありましたか?
T.T. Goblin「海外ツアーでは6日くらい連チャンでライブをして。いろいろ問題もあったんですけど、団結力が高まりましたね。よりバンドらしさが出て、信頼度が増しました」
Nobu「そうですね。合宿みたいなものだったので」
Laven「初めてイタリアに行きましたが、現地の観客から温かい歓迎があってとてもビックリしました。ツアーを経て3人の連携が良くなったし、ツアー中でも、楽曲制作でも、どう一緒にやっていくかが分かってきて、まるで家族になるための最終テストみたいな感じでしたね」
――そういえばHEBI KATANAは〈Tokyo Samurai Doom〉と称されることもありますが、この言葉は海外ファンの発信がきっかけだそうですね。
Nobu「そうなんですよ。実は1stアルバム(『HEBI KATANA』)をリリースしたときに、海外のWEB ZINEでそう紹介されていたのを拝借していて。
最初は日本文化の要素はまったくなかったんですけど、今ではジャケットやTシャツ、SNSなどトータルでプロデュースをしていかなきゃいけないのもあって、そういった部分で昔の黒澤映画や三船敏郎みたいな武士の雰囲気をモチーフにすることもありますね。〈KATANA〉の字もそのまんま日本文化だったりするので。あと新しいバンドなので、どうやったらみんなに聴いてもらえるかを考えていろいろトライしたという面もあります」
――HEBI KATANAというバンド名の由来も気になります。
Nobu「これも正直に言うと深い意味はなくて(笑)。バンド名を考えたときに、英語だとカッコいい名前が出尽くしているというのもあるし、後から出てきたバンドなので検索で埋もれるのも避けたかったんですよね。たまたまタトゥーのモチーフの画像を見て、〈こういう名前のバンドがいないなら、いいかな〉と思って名づけました。後からいろいろ本を読んだりして、バンド名に追いついていった感じです(笑)」
侘び寂びや不完全さの美をテーマにしたコンセプト作
――(笑)。ここからは最新アルバム『Imperfection』についてうかがいますが、まずタイトルの由来を教えていただけますか?
Nobu「今回はアルバムのコンセプトをしっかり作りたかったんです。今まではコンセプトがなかったし、前作から3人とも同じメンバーでもあるので、一歩踏み込んで作りたいなと。
〈Tokyo Samurai Doom〉と言われてはいたんですけど、内面が追い付いていないのは自分でも感じていたので、日本の人が聴いても恥ずかしくない、安易に〈サムライ〉を使っているように思わせないような作品に挑戦しました。そこで侘び寂びや、不完全さをそのままにしておくという日本の美学をたまたま目にして、これをテーマにしたらいいんじゃないかと思って進めていきましたね」
――コンセプト面で言うと、アルバム全体が一本の流れとして構成されている印象を受けました。
Nobu「そうですね。曲順やレコードで聴くときのA面/B面も意識して、繋がりなどもみんなで話し合っていて。(T.T. Goblinが)プログレ好きなので、かなり意見を言ってくれました(笑)」
T.T. Goblin「楽曲はNobuくんが弾き語りのデモで送ってくれたものをバンドでアレンジしていったんですが、全曲が形になった段階で曲順は自分が〈こういう曲順がいいんじゃないか〉と提示していきましたね。5曲目“Blood Spirit Rising - 諸行無常”から7曲目“Yume wa Kareno - 夢は枯野”は組曲ではないですけど繋がっていて、内心ニヤリとしながら〈これだ!〉って思ってました(笑)。
ドゥームメタルを軸にしながら、コーラスやハモリなどいろんなバリエーションを入れているし、2曲目の“Dead Horse Requiem - 走馬灯”はうちらの中では速いほうだし、今までにない挑戦的な要素もあって……俺の中ではプログレなんじゃないかと(笑)。いろいろな捉え方ができると思います」