ジャック・ホワイトが主宰するサード・マンから発表した『Cartwheel』(2023年)で一躍注目を集めた、NYの4人組シューゲイザー・バンド。約2年ぶりとなるこの3作目もサード・マンからのリリースで、分厚い轟音ギターを基盤にしながらも、リズム、メロディー、ヴォーカルのすべてが繊細に調和し、美しいバランスを生み出している。なかでも際立つのは〈歌〉への強いこだわり。キャッチーで耳に残るメロディーと言葉が明瞭に届くクリアなヴォーカルは、ノイズに埋もれることなく心に届く。マイブラやダイナソーJr.を彷彿とさせながらも二番煎じ感はなく、あくまで現代的な独自の音像が魅力だ。