バッハのオルガン作品を愛する方、必携の一冊。ピーター・ウィリアムズ(1937~2014)が著した、バッハの全オルガン作品を偽作も含めて約310曲、解説した古典的名著を訳出した598ページからなる大著である。作品はバッハ作品番号(BWV)順に並べられ、自筆譜、筆写譜の状況、研究書や論文の引用、他のバッハ作品や、ブクステフーデ、パッヘルベル、フレスコバルディなど他の作曲家との比較など、多面的な客観的情報の提供が作品のより踏み込んだ理解に役立つ内容となっている。自作のアリアや賛美歌を編曲した〈コラール作品〉で、原作歌詞の翻訳が丁寧になされているのも日本語版としての価値を高めている。