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転調で表現した迷いと決心

――音楽的には、やっぱりシティポップやAORを志向しているのでしょうか?

黒澤「そんなにこだわってないですね。たまたまこういうサウンドになっただけで、いろいろやっていきたいと思ってます。『メトロポリタン』の3曲はギターを歪ませたり、バンドらしいサウンドを目指したんですけど、そういうのだけじゃおもしろくないなと思って、打ち込みっぽい曲や音数少なめの曲も作ったり。まだまだ模索中です」

――『メトロポリタン』の収録曲はどれもシンセサイザーの音色とフレーズが印象的で、音色に関しては黒澤さんからかなり要望を出したそうですね。

黒澤「〈一発でROBITASってわかるシンセの音を作ってくれ!〉って澤田に頼んで、来ては投げ、来ては投げを繰り返して17ラリーぐらいしました。特に“メトロポリタン”のイントロは大変でしたね」

――1曲目“メトロポリタン”はBメロの転調にこだわったとか。

黒澤「Bメロで音が上がったり下がったり、ふわふわするのは迷ってる心情の表れで、サビで決意が固まったかのようにCにまた転調するんです」

「あそこ、気持ちいいですよね」

――ROBITASとして最初に作った曲ですか?

黒澤「そうです。“Muted Tokyo”と“Imaginary Trip”はもともとあって、歌ってくれる人を探してた曲でした。“メトロポリタン”はROBITASを始めるにあたって作った曲です」

――ROBITASの曲は黒澤さんが書いていて、歌詞も楓さんの曲とはちがう感じなので、ボーカルのアプローチは変えていますか?

「そうですね。ROBITASの曲はメロディラインが難しいんですが、そういう曲も好きなので、自分の曲を作るときとはちがう楽しさがありました。ちょっとゲーム感覚というか、自分のボーカルをどう合わせにいくかを考えて歌えたので、毎回レコーディングは楽しかったです」

――ROBITASは歌詞がユニークで、特に“メトロポリタン”は使われている単語が独特ですよね。〈パーキングエリア〉〈ポタージュ〉〈新東名バス〉〈町中華〉〈新東京格安航空〉とか。

黒澤「文字数の問題をクリアしたうえで、印象的で伝わりやすい言葉を考えました。たとえば〈コンビニ〉は使いたくないとか、自分なりの基準はあるんです」

 

平和でのどか、でもディストピア

――2曲目“Muted Tokyo”はどんな曲ですか?

黒澤「人類がかなり減少した世界を想像して書いたんですが、〈でもディストピア的な荒廃した感じを楽しもうよ〉という曲ですね。京都の鴨川のような平和でのどかな景色をイメージしつつ、でも実はディストピア、みたいな」

――楓さんは歌ってみてどうでしたか? メロディが複雑で、さらに後半で変化もしているので難しそうですね。

「リズムどりが難しい曲でした。〈細かくリズムをとらないと歌えない〉ってレコーディング時に教えてもらって、難しいけど歌ってておもしろかったです」

黒澤「すんません! コード進行はループしてるので、曲自体はシンプルなんですけどね」

――一方でアレンジが工夫されていて、ブレイクビーツやダンスミュージック的な要素がところどころ入っていますね。

黒澤「ムラ・マサとか最近のおもしろいビートメイカーっぽい曲にしたいなと思って、澤田と相談して作りました。イントロが長いので、そこも楽しんでほしいです。あとシングルよりもっと派手なサウンドにしたくて、このミニアルバムのミックスではヤバいことになってます(笑)」

「かっこよくなってますよね」