エンタメシーンのど真ん中へ――大バズり中の異端児モナキ

今年4月にメジャーデビューした歌謡コーラスグループ、モナキが今、大変な勢いだ。〈中毒性が凄い!〉と話題のデビュー曲“ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど”がTikTokを中心に大バズを巻き起こし、SNSの総再生数は13億回を突破。平均年齢33歳、既婚の一級建築士に会社員、戦隊ヒーローにテニスの王子様という、メンバー4人の異色すぎる経歴も大きな注目を集め、連日テレビやラジオで取り上げられるなどメディアを席巻、デビューから恐るべきスピードで世間にその名が浸透中だ。

モナキ 『ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど』 クラウン(2026)

洗練されたビジュアルに磨き上げられた歌とダンス、何より年若いことが前提とされるアイドルやボーイズグループの世界において、モナキは異例の存在だ。にもかかわらず、なのか、だからこそ、なのか――モナキは今、新しい風を纏いながら、エンターテインメントシーンのど真ん中へ躍り出ようとしている。一体、モナキの何がこれほど多くの人の心を掴み、大ブレイクを生んでいるのか? 異端児モナキの魅力の正体に迫ってみたいと思う。

 

純烈の酒井一圭がプロデュースする〈名もなき者たち〉の素顔

モナキは歌謡コーラスグループ、またの名をスーパー銭湯アイドル、純烈の弟分だ。純烈のリーダー、酒井一圭が2023年、一度芸能界を離れた人や挫折を経験した人に〈二度目のチャンス〉を与えるというコンセプトのもと開催した〈セカンドチャンスオーディション〉で約1,000人の中から選ばれたメンバーを中心に結成された。グループの正式名称は〈名もなき者たち〉、略して〈モナキ〉。二度目のチャンスを掴み、再び夢を追いかける〈まだ何者でもない〉メンバー4人へ、グループのプロデューサーである酒井が授けた名前だ。

メンバーは、メンバーカラーがイエローのおヨネ、オレンジのじん、ブルーのサカイJr.、ピンクのケンケンの4人。まず、人懐っこい笑顔を縁取る、艶やかなおかっぱヘアで鮮烈な存在感を放っているのが28歳のおヨネだ。大学ではアカペラサークルに所属し、カラオケ喫茶で歌唱力を磨いたといい、その後も工場勤務を続けながら歌手をめざしていた中、酒井の〈個性的な方大歓迎!〉という言葉に背中を押され、オーディションへの参加を決意したという。関西人ならではのユーモアと親しみやすさはモナキに癒しのムードを与えている。

また、グループ最年長の39歳のじんは、ミュージカル「テニスの王子様 2ndシーズン」や特撮ドラマ「烈車戦隊トッキュウジャー」などへの出演を経てミュージシャンに転身した芸能活動経験者の一人だが、コロナ禍を機に会社員として働いていた時期もあると明かしている。アーティスト経験に裏打ちされた安定したパフォーマンスでグループを支える一方、記者会見で突然強烈な下ネタをぶっこむなど大胆不敵なムードメーカーでもある。

続いて37歳のサカイJr.は、幼少期をアメリカで過ごしたのち、千葉大学工学部大学院を首席で卒業し、大手鉄道会社で一級建築士として駅ビルなどの開発を担ってきた超エリートだが、子どもの頃から抱いていた〈表現者になりたい〉という想いを捨てきれず、オーディションへの参加を決めたそう。グループ唯一の既婚者でもあり、芸名の〈Jr.〉はプロデューサーの酒井と同じ苗字ゆえに付けられたものらしい。タモリさんと意気投合しそうな鉄道への造詣の深さと、落ち着いた大人の佇まいから醸し出る色気は唯一無二だ。

そして、メンバーから〈裏口入学〉とイジられているのが、今回のオーディションに参加していない唯一のメンバー、29歳のケンケンだ。イケメン俳優の登竜門〈ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト〉でファイナリストに選ばれ、特撮ドラマ「動物戦隊ジュウオウジャー」などで人気を博すも、一度芸能界を離れている。純烈の元メンバー、友井雄亮が経営する飲食店でアルバイトをしていた縁で、純烈の関係者を通じてモナキへの加入の話が浮上したそう。ひときわ華やかなオーラの持ち主だが、厳しい芸能界での再起という人一倍の覚悟が滲んだ瞳の強さも印象的だ。