これでもかというほど充実した内容で新たに誕生したシュニトケのピアノ作品集。初期の前奏曲に晩年の3大ピアノソナタはもちろん、4手連弾ソナチネ、はたまたモーツァルト:ピアノ協奏曲の為のシュニトケ作曲カデンツァまで収録するという、シュニトケファンにはたまらない内容だ。音数の少ない深遠なソナタの響き、けたたましく諧謔的な音楽、180度反転したような古典的な楽曲。全集にするとこうも彼の作風の変化を堪能できるのかと驚いた。作曲様式を変遷させてきたシュニトケだが、ピアノからの一面を切り取るだけでも十二分に楽しめる。もちろん、これからシュニトケに触れる諸兄にもオススメ。