優しさの滲み出ている歌声だ。温かで誠実な人柄であろうことが楽曲から伝わってくる。エド・シーランが惚れ込み、彼の主宰するジンジャーブレッド・マンの第1弾として送り出されたシンガー・ソングライターのデビュー作。先行シングル“Wasn't Expecting That”はジャック・ジョンソン的なタッチも感じられるアコースティックの軽やかな曲調だが、歌声は生々しくてソウルフル。同曲に代表されるように、ダイレクトに感情を表現しながらも大袈裟な感じや過度な深刻さはなく、すっと聴き手に寄り添うような親しみやすさが魅力だろう。プロデュースはウィル・ヒックス(エド・シーラン、リリー・アレンほか)。アウスゲイルを想起させる透明感を持ったフォーキーな“All Is Beauty”がじんわり沁みる。