INTERVIEW

話題の女性シンガー・EVO+、ギガPらのR&Bタッチな書き下ろし曲やボカロのカヴァー中心の初アルバム『EVOLUTION』を語る

R&B育ちの力強い歌声で活動の場を広げる話題の女性シンガーが、ついにCDデビュー!

EVO+ EVOLUTION EXIT TUNES(2016)

 動画サイトへの投稿を通じて着実な支持を獲得してきたヴォーカリスト、EVO+がデビュー・アルバム『EVOLUTION』を完成させた。昨年にはクラブ・ミュージックの地平で活躍するユニット=HyperJuiceのナンバー“City Lights”で客演を務め、いわゆる〈ニコニコ動画〉のユーザーとは異なる層にもその歌声を知らしめた彼女だが、同曲ともシンクロするダンサブルでメロウな世界をアルバムを通して紡いでいる。

 「以前はアメリカに住んでいて、いちばん最初に触れた洋楽はマライア・キャリーです。中学に上がってからR&Bにハマっていき、アリーヤの『One In A Million』は狂ったように聴いてました。放課後はCDショップへ行って門限ギリギリで帰ってMTVを観て……休みはCDを買うためにベビーシッターをして、みたいな生活でしたね」。

 アルバムは、ギガPEonsat頑なP)、それっぽいPといったボカロPらによる書き下ろし楽曲と、ボカロ曲のカヴァーを中心に構成されており、バウンシーなトラックから2ステップ調、アップリフティングなエレクトロ・ハウスなど、トラックのスタイルはさまざま。書き下ろし曲にR&Bタッチのものが多いのも興味深い。「モロに影響を受けた」という宇多田ヒカルにも通じるブルージーな表情を宿したヴォーカルと、自身の声だけを重ねたコーラスワークが、90年代のR&Bにも通じるアレンジを引き寄せているのかもしれない。

 「今回チョイスしたカヴァーはどれも個人的に思い入れのある曲ばかりですし、書き下ろしの作家さんも、もちろん私が好きな方たちにお願いしました。〈歌ってみた〉をやる時に決めたことがあって、それは〈歌いたくないものは歌わない〉ということ。あたりまえのようなことなのですが、好きなように歌って良いという環境が〈ニコニコ動画〉だと思います。その文化のなかからライヴをしたりCDを出したりする人たちが出て来る時代の流れを他人事のように感じていましたが、まさか自分がこうなるとはつゆにも思わず」。

 「イメージ通りに表現するのに3年かかりました」というエレクトロニック・フュージョン“リーユの心音”をはじめとするアグレッシヴな楽曲群を巧みに乗りこなす様はなんとも痛快。一方で、「この曲があったからこそアルバム制作に挑めた」と思い入れを語る、ギタリストの井草聖二が演奏で参加した“rain stops, good-bye”の〈Valentine's Edition〉などスロウでのアコースティックなアプローチが胸に迫る。いずれの楽曲も、その芯に据えられているのはパワフルでいてしなやかなEVO+その人のヴォーカル。インディア・アリーの音楽を「私の辞書みたいなもの」とも語る彼女の、ソウルフルなパフォーマンスを存分に堪能できる一枚だ。

40周年 プレイリスト
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