80年夏のテキサスを舞台に、野球部推薦で大学に入学する主人公が野球部の寮に到着してから新学期が始まるまでの3日間を描く。野球部員たちは新学期が始まるまで、酒、女、ドラッグで延々バカ騒ぎしているだけ。物語の「オチ」はない。起承転結でいう起の部分だけをただ描いたような映画なのだ。では、詰まらないのか? 否、抜群に面白い。というか、愛おしい。なぜなら、誰にでもあるであろう、当時は他愛のないと思っていた青春時代の「時間」がそこにあるからだ。「時間」の作家リチャード・リンクレイターの面目躍如な逸品。