ダウンビートな佳作を残すSato BeatsことShogo satoを中心とした3人組インスト・バンド。もともとジャズもハウスもヒップホップも折衷し、cro-magnonにも通じる雑食グルーヴを体現してきたトリオだが、この初のフル・アルバムでは一昨年の『Bastard 9th』でも目立っていたアーバン志向を増強。オープニングの顔文字曲“└(▼ε▼)┐”からニュー・ジャック・スウィングを威勢良くぶっ放し、韓国のラッパーであるキリンの代表曲“JAM”をラテン・ラスカルズばりの手つきでリミックスしたり、ミュンヘン・ディスコ風のデンデケ・ベースやロボ声をそこかしこに導入したりと、無条件でステップを踏みたくなる曲が目白押しだ。CHIYORIの吐息のような歌声が耳をソフトに撫でるミッドナイト・メロウな逸曲“Surely”なども挿みつつ、SH●GO S▲TO名義作でも窺えたシンセ・ブギーへの傾倒とトッド・テリエら北欧ニュー・ディスコ勢とも共振するトリッピーな感覚が無上の快楽を約束する一枚! たーのしー!