蛍光色のポップな装丁が目を惹く本書は、長年ブックデザインの世界で活躍してきた著者による、鮮やかなデザイン論。色・装飾・ロゴ・レイアウト・表現と5つの視点から古今東西の別を問わず、博覧強記の知識をもとにデザインにまつわるエポックな事例を取り上げている。たとえば今あなたが手にしているこの冊子にも、書体の統一や写真の配置、誌面の余白に至るまで工夫が施されているが(本書「レイアウトってなんだろ」参照)、ことほど斯様に私たちの生活の中には、様々なデザインの文脈が背景にあることを教えてくれる。まさに温故知新、歴史の縦糸と横糸を自在に紐解いた刺激溢れるテクスト。