カンザスシティ出身、現在はパリを拠点にするシンガー・ソングライターの2作目。低域で伸びる歌声はアーシーで落ち着いたムードを纏っており、素朴なブルースやジャズに乗せて訥々と心象風景を綴る様子はトレイシー・チャップマンやニーナ・シモンに通じる。1920年代の人種間対立を題材にした“Red Clay”のようにコンシャスなトピックが中心で、黒人霊歌やワーク・ソングの精神性を受け継いだ格調高さも芳しい。