BASIC PLUMBINGがYoutubeに公開しているボーイズ・フォーエヴァーのMV“Voice In My Head”より

 

ヴェロニカ・フォールズの元ドラマーで、現在はソロ・プロジェクトのボーイズ・フォーエヴァーとして活動しているグラスゴー出身の音楽家、パトリック・ドイル。彼が32歳の若さで亡くなったことを、ボーイズ・フォーエヴァーのFacebookページが伝えました。死因などは不明。同ページには〈He was a dear son, brother, uncle and friend, and we loved him dearly. His family are immensely proud of all he achieved. 〉と綴られており、生前に彼を支援してきたという〈Los Angeles LGBT Center〉への寄付が呼びかけられています。

この報を受けて、フランツ・フェルディナンドのアレックス・カプラノスが、追悼の意をTweet。

また、ヴェロニカ・フォールズのマリオン・ アーベインはInstagramでメッセージをシェアし、同郷のスピニング・コインも弔意をTweetするなど、地元のグラスゴー・シーンで彼がいかに愛され、音楽家として支持されていたのかが窺えます。

パトリック・ドイルは、2007年にギター・ポップ・バンド、ロイヤル・ウィーの一員としてアルバム『Royal We』をリリース。収録曲“All The Rage”は日本でもクラブ・ヒットになりました。同時に参加していたセクシー・キッズの7インチ“Sisters Are Foever”(2008年)も話題を集めました。その後、同じく両バンドに参加していたロクサーヌ・クリフォードらとヴェロニカ・フォールズを結成。2011年作『Veronica Falls』、2013年作『Waiting For Something To Happen』――瑞々しい疾走感に溢れた2枚のアルバムは、10年代のインディー・ポップを代表する名盤と言えるでしょう。

ヴェロニカ・フォールズの脱退後はボーイズ・フォーエヴァーとして活動し、2016年にファースト・アルバム『Boys Forever』を発表。ソングライティングの才にますます磨きをかけた、人肌の温度感が心地良いジャングリー・ポップの傑作でした。突然の早すぎる別れに、悲しみを消すことはできませんが、いまは彼が遺してくれた名曲の数々を聴きながら、ゆっくり別れを惜しもうと思います。