ドイツの気鋭作家によるボウイ評伝コミックの日本語版が刊行された。まるで美術書のように美しい一冊。〈ジギー・スターダスト〉期のボウイ、つまり70年代のグラム・ロッカーとして頂点を極めた時代とそこに至るまでの少年時代を描いたグラフィック・ノベル。アメコミ・タッチでオール・カラー仕様なのも良い。マーベル・コミック、或いは永井豪の弟子・風忍を想起させるド派手でサイケデリックな大ゴマも魅力だ。「誰でもなりたい人間になれるんだ」。これは8年前に開催されたボウイの大回顧展で知った彼の名言。一人の青年がいかに伝説となったのか、奇抜で妖艶なペルソナを獲得していった様を鮮やかに活写している名コミックスだ。