リード奏者ニコラス・マッソン、ECM最新作。メンバーを替えず、すでに10年以上に渡り活動しているパラレルというグループ。何故か今回はメンバー名をそのままアーティストのクレジットにしている、まさにそれがパラレルということなのだけれど。コレクティヴな即興演奏するおよそ全てのアンサブルは、音楽の同時、並行的な、つまりパラレルな発展を信じて疑わないわけだろうから、マッソンたちはそのことを念頭に置いて演奏しているに違いない。ただ、聴いていてそんな彼らの真摯な態度よりは、ECMレーベルの音楽、伝統に耳を奪われる。北欧の若い音楽家が真摯になればなるほど、かつての北欧のジャズが聞こえてくるのだ。