夏代孝明 『Gänger』 まるで日々の話題のように、足早に移り変わっていく多彩な感情

2018.11.14

MVやカヴァーの総再生回数が2,000万超え、ファッションブランドのプロデュースも行うなど、マルチな才能で注目を集めるシンガー・ソングライターのフル・アルバム。すべての詞曲も担当し、変則的なメロディーに惹かれる“エンドロール”、背中を押してくれるようなパワフルなアップ・チューン“ユニバース”、切なさ溢れる“君のいない夜”など、ヴァラエティーに富んだ内容となっている。天は彼にいくつの魅力を与えるの!?

 


配信リリースの“エンドロール”のどん底感が強烈すぎてアルバムはどうなることかと思ったが、同様の闇をまとった曲から、キラキラ輝く応援歌やラヴ・ソングまで、実に多彩な10曲が勢揃い。楽曲面でもブルースやフォークっぽさを取り入れたり、ラップもあったりと表情豊か。しかしそうしたネガティヴからポジティヴへの移り変わりにしても、急な転調や曲調の変わり方にしても、いずれも畳み掛けるようにスピーディーなのは、まるで日々ネット上の話題が足早に移り変わっていくようでもある。特に、“プラネタリウムの真実”で〈ねえ僕はここで暮らしてみたい 君となら〉と歌った直後に“君のいない夜が明ける”で〈君のいない夜が明ける〉と歌われると……時間の進み方は確実に昔より早くなってるような気さえしてしまう。そんな濃密な40分強だ。

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