今年もやってくる、秋のジャズ・フェス『かわさきジャズ2019』
『かわさきジャズ』でしか聴けない&見られない異色のコラボレーションにも要注目!
神奈川県北東部に位置する川崎市といえば、全国的に有名な産業都市だ。モノ作りの地域として日本を支え、牽引し続けているが、それ以外にもいくつか特徴的な“顔”がある。例えば、平間寺。初詣には300万人もの参拝者で賑わう通称、川崎大師は定番の観光スポットでもあり、参道沿いに立ち並ぶ商店で名物の久寿餅や煎餅などを買い求める人が後を絶たない。飴専門店から聞こえる“とんとこ飴”を切る音もこの街ならではで、なんと“日本の音風景100選”にも選ばれている。他にも、豊かな自然が体感出来る生田緑地内の岡本太郎美術館や、2011年にオープンした藤子・F・不二雄ミュージアムなどアートを体感出来る施設も市内に点在。人口152万人を超えるビッグ・シティ・川崎はテクノロジーとネイチャー、そしてカルチャーが共存共栄している場所なのだ。
そして、もうひとつ、“音楽のまち”であることも忘れちゃいけない。実は川崎市には、昭和音楽大学、洗足学園音楽大学といった2つの音大がある上に、様々な音楽祭が定期的に開催されている。4つの市民オーケストラ、100を超える市民合唱団や企業の吹奏楽団&合唱団による活動も盛んで、音楽ファンにとっては非常に居心地の良い街。そんな“音楽のまち”のシンボル的存在が国内最大規模のホール、ミューザ川崎シンフォニーホールである。川崎市政80周年の節目にあたる2004年に開館し、以来、歴史に残る名演が繰り広げられてきた。音響の良さは折り紙付きで、世界最高峰の指揮者、マリス・ヤンソンスは“最愛のホール”と言葉を贈り、サー・サイモン・ラトルは“世界最高のホールのひとつ”と称賛している。この日本が世界に誇る音楽施設が今年7月1日にリニューアル・オープンしていたことをご存知だろうか。設置してあるパイプオルガンのメンテナンスを行い、どの客席からでも良質なサウンドが楽しめるようにとスピーカーを入れ替えた他、舞台設備の改修なども含め、細部に配慮を重ねた上で再スタートしたのである。
さて、バージョン・アップしたミューザ川崎シンフォニーホールでも極上のジャズが楽しめるジャズ・フェスが『かわさきジャズ2019』だ。市全体を大きなステージに見立て“川崎らしさ”を軸に様々な場所で音楽イヴェントが行われるこの都市型フェスは2015年にスタートし、今年5回目を迎えた。
〈ジャズは橋を架ける~JAZZ GOES BEYOND GENERATION〉をコンセプトに、今年は9月6日からプレ期間が開始され、地元を拠点に活動しているジャズ・ミュージシャンのライヴや様々なコラボレーション企画、ワーク・ショップなど、気軽に音楽と触れ合える空間が各所に出現。本会期は11月7日(木)から10日間に渡り開催され、国内外で活躍するトップ・ジャズメンはもちろん、新進気鋭の若手ミュージシャンや華やかな女性アーティストの出演が決定している。『かわさきジャズ』でしか聴けない&見られない異色のコラボレーションも各方面から大注目されていて、例えば、人気俳優で今年、歌手デビュー30周年を迎えた吉田栄作と実力派若手女性ホーン奏者によるステージや、YouTubeチャンネル登録者数141万人を超える大人気のピアニスト、まらしぃがボーカロイド&ヴァーチャル・アイドルの初音ミク及び鏡音リンとタッグを組むアコースティック・ライヴなど、ジャズ・ファン以外からも熱い視線が注がれている。
さらに、昨年の『かわさきジャズ2018』に出演する予定だったが、2日前の11月14日に64歳という若さで他界してしまった日本を代表するジャズ・ピアニスト、佐山雅弘を追悼する『My Favorite Songs~佐山雅弘メモリアル・コンサート』も見逃せない。演奏が披露されるミューザ川崎シンフォニーホールのアドバイザーや昭和音楽大学特任教授などを務めた川崎と縁ある彼を偲ぶ時間は構成・編成を変えて3部形式で行われる。
他にも、ジャンルを超えて引く手数多の人気ジャズ・ピアニスト、秋田慎治率いるトリオにスペシャル・ゲスト、TOKU(vo、flh)を迎えたホール・ライヴ、海外のジャズ・ジャイアンツとも多数共演を重ねているエリック・ミヤシロ・スペシャル・ビッグバンドの豪華ステージ、ニュー・アルバム『NEW STORIES』が大好評の井上陽介(b)トリオ+ファースト・ソロ・アルバム『A Vocalist』をリリースした元フライド・プライドのShihoによるホットなジャズ、1991年生まれで川崎出身のギタリスト、井上銘と2001年生まれ、現役高校生ジャズ・ピアニスト、奥田弦によるスリリング・タイム、細川千尋(p)とクロマティック・ハーモニカ奏者の山下怜、パーカショニストのはたけやま裕が顔を合わせるファースト・セッション、洗足学園大学プレゼンツによるエラ・フィッツジェラルド、カーメン・マクレエ、フランク・シナトラの軌跡をアプローチするジャズ・ヴォーカル・ファン必見プログラムなど、どれかではなく、どれもその場に居たいラインアップだ。
心をスウィング&グルーヴさせたいなら、ジャズで彩られた秋の川崎を訪れればいい。
かわさきジャズ2019
Jazz Bar - Glamorous Night スペシャルゲスト・吉田栄作
2019年11月7日(木)開演18:30
会場:新百合トウェンティワンホール
出演:高澤綾(tp)東條あづさ(tb)中園亜美(s)米澤美玖(s)安部潤(key)増崎孝司(g)須藤満(b)吉田太郎(ds)スペシャル・ゲスト 吉田栄作(vo)
DIVERSITY ART CONNECTION GOCIAA:) vol.2 Collaborate with Kawasaki Jazz 2019
2019年11月7日(木)開演19:00
会場:CLUB CITTA’
出演:語り部JAPAN【日本】(島村艶子・語り部/ASH・琵琶/Chloe・舞踏)/9 FLOWERS& NINI【ベトナム】(ダンス&ヴォーカル)/KAWASAKI INDIAN COMMUNITY 【インド】(Bollywood Dance & BAND)/KOIAKO【ベトナム】(ベトナムバンド)/GOODWILL【日本】(Rapper FUNI&MOVIE ”ソニータ”)/神奈川県立川崎高校ブラスJAZZバンド【日本】/JDS DANCER TEAM/DJ MIU(オールジャンル/Electre Swing)
Jazz Bar Silky Smooth Night 秋田慎治 トリオ スペシャルゲスト・TOKU
2019年11月8日(金)開演18:30
会場:新百合トウェンティワンホール
出演:秋田慎治(pf)川村竜(b)則竹裕之(dr)スペシャル・ゲスト TOKU(vo、フリューゲルホルン)
洗足学園音楽大学プレゼンツ
“Senzoku Jazz Heritage Vol.2 エラ、カーメン、シナトラ”
2019年11月9日(土)開演18:30
会場:洗足学園音楽大学カレッジセンター「MUSE(ミューズ)」
出演:ギラ・ジルカ CHAKA Kotetsu(以上、vo)市原ひかり(tp & vo)ユキ・アリマサ(pf)マーク・トゥリアン(b)デニス・フレーゼ(dr)
エリック・ミヤシロ スペシャル・ビッグバンド コンサート&ジャンボリー
2019年11月10日(日)開演17:00
会場:昭和音楽大学 テアトロ・ジーリオ・ショウワ
出演:エリック・ミヤシロ(指揮&トランペット)本田雅人、 寺地美穂、小池修、鍬田修一、高尾あゆ(sax)小澤篤士、二井田ひとみ、田沼慶紀、山崎千裕(tp)中川英二郎、半田信英、石橋采佳、朝里勝久(tb)青柳誠(p)川村竜(b)川口千里(ds)
Powerful JAZZ~井上陽介トリオ+Shiho
2019年11月13日(水)開演19:00
会場:ラゾーナ川崎プラザソル
出演:井上陽介(b)武本和大(p)濱田省吾(ds)スペシャル・ゲスト Shiho
Versatile JAZZ~井上銘×奥田弦
2019年11月14日(木)開演19:00
会場:ラゾーナ川崎プラザソル
出演:井上銘(g)奥田弦(p)
Colorful JAZZ~細川千尋 × 山下伶 × はたけやま裕
2019年11月15日(金)開演19:00
会場:ラゾーナ川崎プラザソル
My Favorite Songs~佐山雅弘メモリアル・コンサート
2019年 11月16日(土)開演17:00
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール
出演
◆第一部:~佐山雅弘が育てた若手ミュージシャン~
寺久保エレナ(as)、馬場孝喜(g)、中林薫平(b)、福森康(ds)
◆第二部:~ジャズ・ピアノ6連弾の仲間たち~
国府弘子、小原孝、塩谷哲、佐藤允彦(p)
◆第三部:~佐山雅弘トリビュートバンド~
三木俊雄(ts)、岡崎好朗(tp)、中川英二郎(tb)、佐山こうた(p)、川村竜(b)、大坂昌彦(ds) Guest Vocal:May J.
まらしぃ With 初音ミク、鏡音リン piano acoustic live
2019年11月17日(日) 開演17:00
会場:カルッツかわさき
出演:まらしぃ(pf)初音ミク、鏡音リン(vo)