TOWER DOORSが注目する新人アーティストにメール・インタヴューし、その魅力に迫る企画〈6つの質問〉。これまで〈6つの質問〉に答えてもらったアーティストの楽曲をまとめた再生リストを作りました。記事と併せてぜひご覧ください。
今回登場してもらうのは、“芸術と治療”という曲を提供してもらった宅録音楽家の浦上想起です。
浦上想起は2019年、つまり今年から活動を始めたニューカマー。〈一人多重録音/打ち込みソロユニット〉を掲げ、作詞・作曲・編曲・演奏・歌唱のすべてを一人でこなすマルチ・ミュージシャンです。1月のデビュー曲“芸術と治療”は、瞬く間に多くのリスナーを魅了しました。5月にはアルバム『Urakami's Instrumental Songs Vol.1』をBandcampでリリース。数年間溜めてきた断片的な楽曲を詰め込んだ作品で、26もの楽曲が収録されています。
ジャズやフュージョン、ファンク、ヒップホップ、プログレッシヴ・ロック……多数のジャンルの要素がなだれ込んでいる浦上想起の音楽は、まるでおもちゃ箱をひっくり返したかのようです。しかし、その音楽性はポップスに統一されており、まさに〈浦上想起というジャンル〉と言うほかありません。ポップなメロディーラインは一度聴いたら頭から離れないほどで、彼の音楽を聴いていると、パレードのように光が煌めくファンタジー的な世界が目の前に広がっていくかのようです。
そんな鬼才・浦上想起の実像を〈6つの質問〉から明らかにしていきましょう。
1. 出身地と音楽活動を始めたきっかけ(バンドであれば結成のいきさつ)について教えてください。
「いろんな場所を転々としてきた挙句に、今は関西の外れに在住です。もともと別の道を目指していましたが、どうしても音楽活動を冀求する気持ちが抑えられず、子どもの頃から細々と続けていたカバーアレンジや作曲をおもむろに形にし始めました。よろしくお願いします」
2. 現在の音楽性に影響を与えたと思うアーティストや楽曲は?
「Alan MenkenやJoni Mitchellや日本の古いポップスや、その他全員の楽曲です」
3. 今回TOWER DOORSで紹介した曲はどんなふうに生まれた曲で、どんなことを表現していますか?
“芸術と治療”
「この曲は、〈奔放に育った芸術性や嗜好性を大人たちに無理に治療されたくない!〉という青すぎる考え方を持つ青年の胸中に突如生まれた自意識過剰性をテーマにした楽曲です。遅いメロディと速いオケの対比に挑戦してみました。絶対に是非聴いてください!」
4. 交流のあるアーティストでいま注目しているのは?
「活動をほぼ同時期に始め、初ライブにも一緒に出てくださった、同年代のSSW松木美定さんを紹介してみます!」
5. TOWER DOORSは新しい音楽との出会いを提供することをコンセプトとするメディアですが、あなたが最近出会った新しい音楽は?
「YouTubeにてヒットチューンをファンクカバーしまくるScary Pocketsというグループがずっと好きで追いかけているんですが、毎回違うボーカリストをフィーチャーしてくれるので、次々に新しい才能を知ることができて楽しいです。最近は特にIndia Carneyさんに注目している。
また、全然趣向は違いますが、普遍的に美しい合唱曲を量産しまくるJohn Rutterという作曲家の方も是非もっと知られてほしいです」
6. ライヴやリリースといった今後の活動や、やってみたいことなど、これからの展望について教えてください。
「いろんなアイデアを盛り込んだ分野横断的なライブにも挑戦してみたいし、一方で楽曲の制作にも心血を注ぎ続けたいです。少し時間はかかりますが、自分の納得する形でアルバムをどんどんリリースしたいです。
また、作曲・リハーモナイゼーションの過程や若手SSWとの交流などを動画配信する企画などもやってみたいです。将来は映画も撮ってみたい。いろんなことがしたいです。人生が、あと3つぐらい欲しいです」
そんな浦上想起が、11月7日(火)に東京・下北沢440でライヴをします。注目のアーティストに挙げていた松木美定と共に出演するようです。ライヴ自体が珍しい彼らの共演が観られるということで、贅沢な一夜になりそうです。摩訶不思議で奇想天外な浦上想起の楽曲が生演奏ではどのように披露されるのでしょうか? それを確認するためにも、ぜひ足を運んでみてください。
最後にご紹介したいのは彼自身が制作した”芸術と治療”のミュージック・ビデオ。狂気すら感じるヴィジュアルに彩られた世界に浸れるので、併せてチェックしてみてください。
LIVE INFORMATION
下北沢レコードpresents 3man Live
2019年11月7日(木)東京・下北沢440
開場/開演:19:00/19:30
出演:浦上想起+松木美定/mekakushe/高井息吹
前売り/当日:3,000円/3,500円(いずれもドリンク代別
チケット(e+): https://eplus.jp/sf/detail/3099050001-P0030001P021001
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