Mikiki編集部のスタッフ4名が〈トキめいた邦楽ソング〉をレコメンドする週刊連載、〈Mikikiの歌謡日!〉。更新は毎週火曜(歌謡)日、新着楽曲を軸に私的マイブームな音楽を紹介していきますので、毎週チェックしてもらえると思いがけない出会いがあるかもしれません。紹介した楽曲はSpotifyとYouTubeのプレイリストにまとめているので、併せてお楽しみください! *Mikiki編集部

★〈Mikikiの歌謡日!〉記事一覧

Spotifyのプレイリスト
 
YouTubeのプレイリスト

 


【天野龍太郎】

菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール “Une chanson pour les grands 大人の唄”

先週からずっとSPANK HAPPYのことを考えていて、“普通の恋”を選びたかったところですが、例によってYouTubeに違法アップロードされた動画しかないので、ペペ珠玉の一曲を(元はキョンキョンに提供したもの)。菊地さんの歌詞って、やっぱりすごいですよね、ほんとうに。

 

【田中亮太】

Crispy Camera Club “ネイビー・ショア”

8月7日(水)にリリースするセカンド・ミニ・アルバム『ROMA』より。まず、気持ち良く踊れるグルーヴにバンドの確かな成長を感じます。そして、新たに正式加入したギタリスト・稲本裕太の貢献もあってか、編曲もより練られた印象。彼自身も卓抜したソングライターでもありますね。中期スピッツの(J-Popではない)日本語ロック、意外にそれをやれているバンドって少ない気がするんですが、彼らはモノにしはじめているんではないでしょうか。

 

THE SENSATIONS & KONCOS “SPEAK LIKE A CHILD”

Mikikiではおなじみ(と言ってもいいですよね?)KONCOSと、パンク・シーンの精神的な支柱、THE SENSATIONSがコラボ楽曲を発表しました! もともと共同主催のツーマン企画を開催してきた彼らだけに相性はバッチリ。頭打ちのビートと軽快な鍵盤に、パパパ・コーラスとシンガロング必至のメロディーが重なる、最高のノーザン・ソウル・チューンです。スタイル・カウンシルの楽曲がタイトルの元ネタゆえか、モッズ・フレイヴァーにもグッときますね。男らしいのにプリティーってまさに両バンドの魅力を具現化した1曲。

 

Neem “Roman”

熊本在住のプロデューサーがみずから立ち上げたレーベル、Sisenの第一弾として自身の12インチ・アナログ盤をリリース。Akiko Kiyamaのジャズ・ブレイクスっぽいリミックスなど収録された3曲とも高品質な内容でした。自分が特に気に入っているのはAサイドの2曲目“Roman”で、少し跳ねたビートと、その反対にズブズブと沈ませてくれるようなベースが堪りません。インダストリアルな音色もナイス。

 

【高見香那】

RYUTist “Majimeに恋して”


これはいいですぞ……。℃-want you!(Magic, Drums & Loveなど)が作詞・作曲を担当したデビュー8周年記念の新曲は、メンバーそれぞれの実話エピソードを歌詞に盛り込んだ8年間の集大成的な意味合いもある、RYUTistとしては珍しいストレートなラヴソング。楽曲自体の輝きにまず惚れ惚れなのですが(℃-want you!さん、たいへんなグッドソング・メイカー)、南波一海さんが手掛けたミュージック・ビデオがまたいいです。本秀康さんが描かれたジャケットとリンクするように、それぞれのイメージ・カラーをバックに動き廻るメンバーがキャラクターみたいで愛らしくて。こんなの、みんな好きになってしまうと思います。ときおり挿入される、RYUTistの拠点である新潟・古町で撮影されたロング・ショットもいいんだなあ。監督、センス抜群です。これが雷音レコードから7インチ・シングルでリリースされるなんて、いろいろうまく行きすぎだと思います(℃-want you!さんのシングルも同日リリースです)。

 

【酒井優考】

御多忙プピーピ “今日のおもちゃ”

〈Mikiki Pit Vol. 9〉にお越しくださった皆様(来られなかったけど気にかけてくれた方々も含め)、そして出演してくれたPOLLYANNA、御多忙プピーピ、ジオラマラジオ、侍文化のみんな、関係者の皆様、ありがとうございました。お陰様でめちゃくちゃ楽しい良いイヴェントになったんじゃないかと思っています。子供を連れて行ったら「これ聴いたことある!」「さっきのカッコいい!」と好評で、良い音楽ってこういうことだよなーって思いました。彼は特に御多忙プピーピがおもしろかったようで、同様に気になった方は↑の3年前の映像に歌詞が載ってるのでぜひご一読を(相変わらずへたっぴだなあ笑)。

 

君島大空 “散瞳”

『午後の反射光』のレヴューで〈90年代渋谷系の延長線上にあるような~〉と書いたところ、君島さんは渋谷系か渋谷系じゃないかという話をされてる方がSNS上でいらして、ご本人まで〈僕は渋谷系じゃないと思います…(よく知らない)〉と仰っていて、その節は本当すみませんでした……。独特の歌声とその重ね方、ギターのカッティングやコード感、いろんな音のコラージュ感、それらが合わさって幻想的な世界(語彙力なくて嫌だな……)を作っているさまが、〈渋谷系っぽい〉んじゃなくて、渋谷系の何歩も先にある音楽のようだと個人的に思っただけなんです。……と、そんな御託はさておき、新曲“散瞳”、めちゃくちゃにかっこよくないですか。配信で同時リリースされた“花曇”も、アイスがどんどん溶けていくような美しさのある曲です。

 

カイ “秘密の扉”

元BELLRING少女ハート、元THERE THERE THERESのソロ・アイドル、カイさんが本日休演の楽曲をカヴァー。一瞬〈え、なんで!?〉と思う異色の組み合わせのような感じもしますが、なぜかマッチしてる……。そしてMVは、原曲のMVの監督でもあり、本連載でたびたび登場する小池茅くんが監督。相変わらず世界観はぶっ飛んでるし、ぜひ原曲と見比べ聴き比べしてください。

 

Nai Br.XX&Celeina Ann “Polly Jean”

(何が邦楽で何が洋楽なのかはさておき)bounce7月号でも大特集中のアニメ「キャロル&チューズデイ」。新クールのOPテーマは作・編曲が小山田圭吾、作詞がLEO今井。このアニメ、携わってるアーティストが本当にすごい人ばかり。

 

トリマトリシカ “walking mountain”

前々々回でも紹介した平岡恵子(元桃乃未琴)と加藤哉子(元CANNABIS)による二人組が、その後も立て続けに新曲を発表。5曲目となるこの曲は、二人の掛け合いとハーモニーが絶妙な穏やかなワルツで、大自然に囲まれてキャンプをしてるような、のんびりしてるのに人生を見つめ直してるような、いろんなイメージが湧き起こります。キャンプで思い出したけど〈フジロック〉にも出るそうで、まさにピッタリじゃん。Charaもオススメしてました

 

millennium parade “Plankton”

King Gnuの常田大希と仲間たちによるプロジェクトの新曲。こんなすごい作品を観ちゃうと、集団行動の歌詞じゃないけど〈いまってもう充分未来なんじゃないの?〉って思ってしまいます。