その滑らかな歌声と穏やかなメロディーの運び、ハーモニーの醸し出す音楽のケーデンスにスペイン語のリリックがまるでポルトガル語のように聞こえる。セバスティアン・マッキ・トリオ、カルロス・アギーレを中心に蠢くネオ・フォルクローレの音楽シーンに表れた新生、トリオ。カルロス・アギーレがベース、アギーレのアンサンブルのパーカッショニスト、ゴンサロ・ディアスというバンドメンバーである。アルバムタイトルの《アグアシラバス》は、水の音節という意味。マッキが参加した名盤《ルス・デ・アグア》も水=アグアについてのアルバムだった。水は彼ら一派の豊穣なイメージの源泉のようだ。