北欧ジャズシーンを代表するエレクトロニクスの使い手ヤン・バンとギタリスト、アイヴィン・オールセット。共にニルス・ペッター・モルヴェルの作品でもお馴染み、最近ではアルヴェ・ヘンリクセンと共にECMからティグラン・ハマシャンとの連名でのリリースでその音に触れた人も多いだろう。互いを知り尽くした二人による初のデュオとなる今作の音作りは対話というより共同作業によって間を響かせ空間を作り上げるという趣。瑞々しい緊張感と瞬発力、アイディアに満ちた素晴らしいドローン・アンビエント作品でもある。90年代にフューチャー・ジャズと称された音楽の到達点の一つであろう。