「ヘレディタリー/継承」の俊英アリ・アスターの長編第二作。アメリカの大学生グループが90年に一度の夏至祭が行われるスウェーデンのホルガ村を訪れるが、それは予想だにしない悪夢の始まりだった、という名作「ウィッカーマン」のようなお話。張り巡らされる伏線、ホラーの意匠を借りたベルイマン映画的側面、嫌悪感を催すシチュエーション作りなど前作の要素は健在。本作が世界的にカルト化している要因の一つは、〈おらこんな村いやだ~〉と犠牲者に同化して悲鳴を上げる映画であると同時に、ヒロインに同化して現世の憂いから解放される〈快感〉を伴う映画でもあるからだ。中毒性高めにつき、注意が必要である。