LPでしっとり聴く極上のクリスマス・アルバム&More

SIMONE 『Christmas』 Lucky Mojo(2020)

 日本のヴィーナス・レーベルのお蔭で長く人気をキープしているオーストリア出身のシモーネ(コップマイヤー)(vo)のクリスマス・アルバムは、お馴染みのジョン・ディ・マルティーノ(p)がバックをつとめ、曲によってゲストにアラン・ハリス(vo)ほかを迎えたコラボレイション作品。しっとりと過ごす日に相応しい出来だ。ジャケット・カヴァーも嬉しくなる! “The Pianoman”と呼ばれた英国のマルチタレント、ジェイミー・カランの作品は合計57人が参加しロンドン・アビー・ロード・スタジオで五日間を擁した豪華な作品。これこそ赤盤LPでコレクトしたい! 同国ではかなり高い評価のオランダの歌姫でコンセルトヘボー・ジャズ・オーケストラとの共演作『Wonderful Christmastime』はトレンチャ (Trijntje Oosterhuis)。47歳になった彼女の実力を感じさせる歌い上げだ。そして、クリスマス作品ではないが、御大デイヴ・ブルーベック91歳の最後のソロ・アルバムは、『ララバイ』と題され、小さな子供たちにクリスマスに聴かせたい出来となっている。そのほか今年は、『ホワイト・クリスマス/Massimo Farao』『A Charlie Brown Christmas (70th Anniversary Edition)<限定盤>/Vince Guaraldi Trio』というピアニスト2作品に加え前作が異色のプロデュースで注目されたNils Landgrenの『Christmas With My Friends VII』が登場。

KIRK LIGHTSEY,RUDOLPH JOHNSON 『Habiba』 Outernational Sounds(2020)

 そして、ダラー・ブランド作品など注目の南アフリカのジャズ作品から、チェット・ベイカーとの共演でもお馴染みのカーク・ライティー(p)のスピリチュアル・ジャズ系の74年南ア録音盤がLP復刻された。ラブレス・ワトキンスのバック・バンドとして帯同したブラック・ジャズの人気サックス奏者ルドルフ・ジョンソンとのデュオ演奏だけに若いジャズファンも必聴!

TINA BROOKS 『The Waiting Game』 Blue Note Records(2020)

 最後はブルーノート・ファンへの思いがけないプレゼント、ティナ・ブルックスの発掘盤が待望の単独LPとして登場! ジャケットもパープル系でシックに決められている! 幻の『Back To The Track』周辺を追求されている方には最高のプレゼント。ティナ~マクリーン~ミッチェルにとって最強の時代だった。

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