MFドゥームとのJJ・ドゥームでトム・ヨークやデーモン・アルバーンとの絡みもあり彼の名に見覚えのある方も少なくないかもしれないが「アフリカン・ディアスポラの長年にわたる音楽的貢献の集大成」という今回のテーマの結果的に仮定とも言える作品たちをこの20年発表し続けてきたブルックリンのビート/トラック・メイカーの久々の新作だ。曲の進行とともに彼の中の引き出しからジャズ、ヒップホップ、ソウル、ブラジル、そしてアフリカと音が次々と溢れだし、継ぎ目なくかつてなく洗練されたグラデーションを織り成す。フロアにも対応するがじっくりと聴き込みたくもなる素晴らしき1枚。