IU『Lilac: IU Vol.5』どの曲にもぱっと可憐に咲き誇る、色彩鮮やかなヴォーカリストとしての魅力

2021.04.05

韓国で圧倒的な人気を誇る女性シンガーIU。名前には〈I&YOU(私とあなたが音楽でひとつになる)〉という意味が込められている。アルバム名でありタイトル曲でもある〈LILAC〉の花言葉は〈若き日の思い出〉であり、今年29歳(韓国式年齢)となるIUの20代への別れと、これから迎える30代への〈あいさつ〉のような作品となっている。

オープニングを飾る“LILAC”は70~80年のようなディスコ・サウンドで、華やかさと爽やかな切なさが感じられる一曲。〈さようなら 花びらのようなさようなら/白い私たちの春の日のクライマックス/なんて嬉しいことだろう〉と歌い、別れと出会いの季節である春を軽やかに彩ってくれる。〈白い〉ライラックには〈青春の喜び〉という花言葉があり、その意味に添った歌詞の構成も秀逸だ。もう一方のダブル・タイトル曲である“Coin”では、スロットが回ったような遊び心あるイントロから始まり、アンニュイで色っぽいラップを披露している。

壮大で美しい音色に、透明感のある圧巻のヴォーカルで魅せる“My sea(子供と私の海)”、オノマトペが軽快で可愛らしい“Ah puh”など、本作には多彩なジャンルのミュージシャンや作曲家を迎えて制作された全10曲を収録。どのトラックでも、色彩鮮やかなヴォーカリストとしてのIUの魅力が、ぱっと可憐に咲き誇っている。

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