16歳にして西東京・福生で活動を開始して以来、10年以上のキャリアを数えるレゲエDJの貫太郎が、本名で5年ぶりのアルバムを発表。2000年代からヒップホップ・シーンで活動するZIPSIESやレゲエ界のヴェテランHASE-Tらを制作に迎えた音と彼の語り口は、時流に左右されぬ温もりを放つ。トレンドよりも〈変わらぬ明日が愛おしい〉と歌う“blue”をはじめ、〈ここらでひとまず休憩〉と心と体を労うARAREとの“Nuku”、ポジティヴに世界を見渡すRYO the SKYWALKER客演の“WARUKUNAI”など、自然体の表現がリスナーを癒す。パーカッションとギターの簡素なバックに、肩の力を抜いてマイクを傾けるラスト“月のうらがわ”も、すぐ隣りで鳴ってるような親近感を誘う曲だ。