1956年、中国共産党は党批判を含む自由な意見を歓迎する運動を推進した。しかし、翌57年突如方針を一転。党批判をする者を〈右派〉と呼び、容赦なく粛正する〈反右派闘争〉を開始。結果、55万人もの人が〈右派〉として収容所に送られることとなるのだが、そこに大飢饉が重なり、収容所は飢餓の地獄と化す。本作は、そんな収容所から生き延びた人たちのドキュメンタリーである。当時を振り返り饒舌に語る者、頑なに口を閉ざす者。未だ中国史の葬り去られた〈闇〉としてある彼らの過去と映画内の現在が映画を見る私たちの現在に接続される8時間27分の未曽有の映画体験。「鉄西区」のワン・ビンの集大成となる傑作。