映画「17歳のカルテ」の原作であるスザンヌ・ケイセンの自伝を基に作られた10作目。歌っている内容やタイトルの〈サマー・ホテル〉が何を意味するかは推して知るべし。その意味では彼女の真骨頂と言えそうだが、音楽的には前作の延長とも言える室内楽的なポップ・サウンドをさらに追求。緊張感のなかに温もりを感じさせるメロディーを歌う彼女の歌声と共に円熟味を印象づけている。その聴き応えは満点だ。