かつてのアシッド・フォーク・クイーンも今は昔。ボストンのシンガー・ソングライターによる9枚目のアルバムは、異形のバロック・サウンドに大化け。迫り来るような凄みと共に聴き手を圧倒する。コロナ禍のなか、コクトー・ツインズのサイモン・レイモンドら多くのゲストとリモートで作り上げたそうだ。曲が持つ洗練から〈暗黒AOR〉なんて言葉も浮かぶ“If I Could Breathe Underwater”が強烈に印象に残る。