一貫してモノクロームの夢幻フォークを歌い続ける妖女が放った8作目。エンジェル・オルセン、シャロン・ヴァン・エッテン、ダム・ダム・ガールズのディー・ディーなど一癖ある女性たちが客演し、ゲストの誰もがまるで影絵の人形のように移ろいで、静謐な薄闇の世界と同化している。演奏陣もほぼ女性だからなのか、どこか胎内回帰めいた郷愁や安息、そして仄かな不安を感じさせる、美しくも蟲惑的な作品だ。