ポーランドの現代ジャズ、クラシックを積極的に紹介してきたコアポートから素晴らしいピアニストのアルバムが届けられた。ダニエル・グルパは本作で日本初登場になる作曲家/ピアニスト。アルヴォ・ペルトやフィリップ・グラスに影響を受けたという彼の音楽は、数多くの映画や演劇のスコアを担当したキャリアが生かされた、映像的かつ物語的な内容となっている。全体的にミニマルで叙情的な旋律が目立つ本作のなかでも、すでにPVも公開されているレナタ・プシェミクの美しい歌声をフィーチャーした“私の祈り”の美しさには息をのむ。また、本作は恩田陸の「蜜蜂と遠雷」にインスパイアされたという。