〈ベルリン・オペレッタの父〉パウル・リンケは1866年生まれのドイツの作曲家。毎年ベルリン・フィルの野外で行われる〈ヴァルトビューネ・コンサート〉のアンコールで演奏される“ベルリンの風”が有名。その序曲も収録したのがこのアルバムは、オペレッタの旋律を急・緩・急・緩・急の組み合わせで編んだ序曲を集めている。快活な音楽と、ちょっとクセになる〈間の手〉が入る急の部分と、美しくせつない旋律が印象的な緩の部分が対をなしている。演奏はオペレッタに長けた指揮者により、弾力あるリズムと歌心が同居した愉悦のサウンドが素晴らしい。“カサノヴァ”“グリグリ”の両曲が特におすすめ。