実は銀のばらの風習はない!? そんなびっくりもあり、読めば作品を聴き直したくなること間違いなし! 岩波ジュニア新書で歴史を紐解く『「たどる史」シリーズ』が刊行中だが、本書は『オペラ「ばらの騎士」でたどるヨーロッパ史』だ。〈時の移ろい〉をテーマにしたオペラのストーリー・登場人物・作曲家と台本作家の関係を通して、斜陽のハプスブルク家と市民の台頭、娯楽の変化、戦争の足音といった実際の時間軸の移行を巧みに伝える。楽曲解説はカラヤン、クライバー父子の音源・映像のトラックと時間で示していて、日本語対訳よりわかりやすい。録音史は1933年から2014年の映像含め21種を詳細に紹介。