ヴィヴィッドなポップセンスと瑞々しい勢いでライヴハウスを賑わせる〈大阪のちょーかわいいバンド〉が登場! 待望のファースト・アルバム『恋してる・コンティニュー』は変幻自在のカラフルな彩りに溢れているぞ!
ぬるっと始まった
鮮やかで華やかなファッションに違わず、ユニークなフレーズとキャッチーなリズム、エッジの効いたワードチョイスでカラフルなバンド・サウンドを作り出す大阪発の男女混合4ピース・バンド、三四少女(サンスーガール)。2023年は〈閃光ライオット〉のファイナリストになり、2024年は関西の10代バンド発掘プロジェクト〈十代白書〉にて準グランプリを獲得するなど、期待のホープとしてライヴハウス・シーンを賑わせている。
その結成は2021年10月。高校生、大学生、専門学生、社会人と、当時はまったく違う世界に住んでいた4人が、音楽という共通項で引き寄せられるように集まった。
川田羽撫子(ギター/ヴォーカル)「高校時代に組んでいたコピーバンドで最後に出たライヴに、たみが弾き語りで出ていたんです。その楽屋でたみがCody・Lee(李)のギター・リフを弾いていて、音楽の趣味が合いそうやなと思って話しかけました。それから少し経って、たみから〈バンドを組まないか〉と声を掛けられて、正式な返事をする前に〈ベースが見つかった〉と連絡が来ました(笑)。さっちゅーの友達の友達にドラムを叩ける人がいるということで、連れてこられたのがあんどりゅーです。だから、ぬるっと始まったんですよね」
さっちゅー(ベース)「コロナ禍でベースを始めて、弾けるようになってきたらバンドをやりたくなったんですけど、メンバーの探し方がわからなくてSNSで〈ベース 関西 バンドメンバー募集〉と検索をかけて、たまたま出てきたのがたみでした。年齢も近そうなのと、たまたま前日にわたしの行ったNEEのライヴにたみも行っていたので、リプライをしました。ちゃんとした人でラッキーでした(笑)」
バンド名は羽撫子が小学校以来使わなくなった言葉ながらも響きの可愛らしさから気に入っていた〈算数〉と、麻雀アプリで慣れ親しんでいた中国語の数字を掛け合わせ、そこにたみの発案である〈○○少女(ガール)〉を結合させた。
たみ(ギター/ヴォーカル)「〈ガール〉は意味だけでなく、響きにも若々しさがあるのがいいなと思っていたのと、好きなバンドに〈ガール〉がついていることが多かったんです。なかでもナンバーガールやステレオガールは男女混合バンドでもあるので、ゆくゆくはそこに並べたらいいなという気持ちもありました」
4人のプロフィールには、好きな音楽や影響を受けたアーティストの名前がぎっしりと綴られている。ファースト・アルバム『恋してる・コンティニュー』の楽曲も、そうした影響やリスペクトが素直に表れたものが多い。だが単純なフォロワーにならないところに、4人の音楽家としての矜持とセンスが垣間見える。
たみ「サウンドとして可愛いもの、おもしろおかしいものにしたいなとは思っていますね。でもまだ自分なりの曲作りが定まっているわけではないので、どの曲もしっかりリファレンスを立てています。とはいえ、この4人でアレンジを作っていくと、デモとはまったく別物になるんですよね。似た系統の音楽を好んでいても、それぞれキャッチしている部分が違うので、全員の発想が入ると曲がさらにおもしろくなるんです」
あんどりゅー(ドラムス)「曲の雰囲気やメロディー、リズムに惹かれて〈いい曲だな〉と思うことが多いので、デモに対してどういうドラムフレーズをつけるか考えるのが楽しいし、収録曲それぞれで違うノリを出したいし、全曲で違うことがやりたいんですよね。ラウド・ロック育ちが“たのしいさんすう”を叩いています(笑)」