現代音楽屈指の精鋭集団、モリナーリ弦楽四重奏団が約2年ぶりに新録音を発表する。彼らが次のレパートリーに選んだのはルチアーノ・ベリオ作品。彼の作品は主に“シンフォニア”などの大規模管弦楽曲や“セクエンツァ”といった超絶技巧の器楽曲が知られている一方、弦楽四重奏曲を始めとする室内楽曲の演奏機会は未だ珍しく、その評価も定まったとは言い難い。こうしたベリオの室内楽作品は特に後期に書かれた“ノットゥルノ「夜に黙して語られなかったことばを」”のように非常にミニチュアなスケールと、これを埋め尽くす極端な音の密集、蔦紐のように鞭打つベリオらしい曲線的な表現が大変印象的。